学会概要

理事長挨拶

ご挨拶

日本老年学会 理事長
甲斐 一郎

 日本老年学会は、1959年に日本老年医学会と日本老年社会科学会とが合同して設立され、その後、日本基礎老化学会、日本老年歯科医学会、日本老年精神医学会、日本ケアマネジメント学会、日本老年看護学会が加盟し、現在7学会で構成されています。国内においては老年学研究者の交流、社会に対する老年学の啓発をおこない、対外的にはわが国の老年学を代表する重要な組織です。高齢者の問題は一つの学問領域だけでは解決できないことも多く、わが国が超高齢社会となった今、老年学会の学際的な活動の重要性はますます高まっていると言えます。学会の主要な活動には以下があります。

 第一に、老年学の普及・啓発をはかる活動をおこなっています。老年学の先人の御努力を引き継ぎ、ようやく社会的な知名度を高めつつある老年学を重要なものとして社会から認識してもらうよう努めております。そのために、2年ごとに開催されている老年学会総会は老年学研究者間の交流と社会に対するアピールの場として重要です。総会の企画・広報を魅力あるものとし、老年学の有用性を社会に訴える活動をおこなっています。

 第二に、高齢者の諸問題について社会に対する提言をおこなっています。「認知症末期患者に対する人工的な栄養・水分補給法の導入・差し控え・中止に関するガイドライン作成へ向けた検討」が2010年1月に本学会の事業として開始されました。幸い、これは2010年度の厚生労働省の事業として認められ、以後2年間、老年医学会、老年看護学会、老年歯科医学会、老年社会科学会などの有志のお力で実態調査と啓発活動を進め、その成果は2012年に老年医学会のガイドラインとして結実しました。また、2013年9月には老年医学会とともに、学際的な「高齢者に関する定義検討ワーキンググループ」を立ち上げました。その検討結果は2017年3月に最終報告書として公表され、75歳以上を高齢者・高齢期の定義とするという提言の内容は社会的に大きな注目を集めております。このように、老年学会の学際的な特長を生かした活動を引き続きおこなってまいります。

 第三に、対外的な活動をさらに進めることも重要です。わが国は有数の高齢化先進国として全世界から注目されております。特にアジア諸国からのわが国の老年学に対する期待は高まっております。わが国はこれまで老年学の世界的組織である国際老年学会(IAGG)総会やIAGG Asia-Oceania地域総会を主催し、また毎回の国際学会の総会に数多くの研究者が参加・発表をおこなってきましたが、世界の老年学におけるわが国の役割をさらに高めるべく活動を強化する必要があります。

 老年学および関連領域の研究者、実践者の皆さんが本学会の活動に関心を持ち、参加していただくよう心から願っております。